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常盤貴子 移動演劇桜隊・再結成記念公演 朗読劇「ヒロシマ」上演!

常盤貴子出演、移動演劇桜隊・再結成記念公演 朗読劇「ヒロシマ」五百羅漢寺公演が8月6日(金)行われた。

史上初の原子爆弾が広島に投下された1945年8月6日、折しも爆心地の至近距離に滞在していた劇団があった。その名を「桜隊」といい、そこにいた9名全員が原爆の犠牲となり命を失った。そんな彼らの遺志を継ぎ、“再結成”することを決めたのが「移動演劇桜隊」だ。

この公演は、当初2020年8月6日に「桜隊」の慰霊法要と併せ予定されていた追悼会において発表される計画だったが、コロナ禍の影響により、今年2021年の追悼会に延期されていたもの。「新藤兼人・原爆を撮る」より未発表のシナリオとして同書に掲載されたものから、新たに朗読劇として構成したものに映像を加えて俳優たちが上演する。

「桜隊」の物語は、書籍、映画、演劇などで数多く描かれてきており、常盤が出演している大林宣彦監督作品『海辺の映画館―キネマの玉手箱』もそのうちの1つ。映画の中で桜隊の園井恵子を演じた常盤が、今回の朗読劇「ヒロシマ」でも同役を演じる。

上演後のトークショーに登壇した常盤は、公演を振り返り、「緊張しました。ずっとここでお稽古をさせていただいていたのですが、やはり観に来てくださる方々がいると、パワーを感じますね。こういった題材に意識を傾けている皆さんだからこそのプレッシャーもありました。下手な事をしたら怒られちゃうと思って(笑)。でも、お気付きのことがあったら是非ダメ出ししてください。」とコメント。

今回の公演に参加し、「初めて本読みに来させていただいた時に、こんなにレベル高いんだと良い意味で裏切られました。だからこそ、自分もちゃんと頑張らなきゃと思いましたし、桜隊の事を伝えていく会だからこそ、俳優たちでこの会をサポートしていかなければとひしひしと感じました。」と語った。

桜隊を知って感じたことを問われると、「性格的に興味がある事を深く掘り下げたいタイプなので、桜隊のことに関しては井上ひさしさんの戯曲『紙屋町さくらホテル』や、他にも何作か本があったので、どんどん読み進めていって、完全にハマりました。何にハマっているのか未だに分からないのですが、もしかしたらそれは私が知らなかった戦争の事がそこに潜んでいるからなのかもしれなくて、それはまだ自分の中ではっきりとした答えは出ていないのですが、この事を通じてすごく大切なことを知る事になるのかもしれないと思っています。」と話した。

大林監督の遺作となった『海辺の映画館―キネマの玉手箱』について話題が挙がり、監督から何か受け取ったメッセージはあるかという質問には、「大林監督が尾道出身というのは有名ですが、尾道は広島なんです。だから、広島出身の映画監督なんだということを、多分ずっと忘れずに生涯いらしたんだと思います。というのは、私は晩年の大林監督に出会って何年間かご一緒させていただきました。その辺りの作品は戦争三部作みたいに言われているのですが、実はデビューからそうだったんです。ずっと前からちゃんとそこは隠して(作品に)盛り込んでいる。今こういう意識の中でハッキリと観ると分ります。新藤監督が『映画というのは記憶装置だ』とおっしゃっていたらしく、それで大林監督もよくその言葉を使われていて、『観たくないものを映すかもしれない。だけど、それはお客さんが見たいから見せるんじゃなくて、記憶装置として残しておくものなんだ』と。だから、それに関しては私もよく考えます。」と感慨深げに語った。

また、「大林監督の映画は、“線を消す”ということもテーマの一つだと思う。」と語り、「私自身のシーンですごく印象的な場面があって、園井恵子さんを演じさせていただいた今の私がそのまま出ているというシーンがあるんです。原爆で亡くなられた全ての方々に祈りを捧げるシーンで、(監督から)『全ての今を生きる俳優さんの代表として貴子ちゃんがいるんだよ。みんなの想いを背負って祈りを捧げてね』というリクエストがありました。撮っている時は、いきなり現代の扮装をさせられて、どういう意味なんだろうと思っていたんですけど、監督の中では、スクリーンと観客の間にある“線をも消す”ということの一つだったんだと思います。映画自体も観客が映画の中に入ってしまうというもので、『全ての線を取り払うことこそが平和。線を引くから戦争なんてものが起こるんだ』ということをおっしゃっていました。」と回想。

そして最後に、「こういった形で(今回のような公演を)ずっと続けていけたらいいなと感じました。俳優さんたちの思いは俳優さんたちで繋いでいくというのは大事なことだと思うんです。だから、やりたいという人たちが出てきてくれたらいいなと思います。実は、今回の出演は自分でやりたいと言い出したんです。私は、大林監督から平和のバトンを渡されたという使命を感じていて、桜隊とコンタクトを取ることができて、出演させていただくことになりました。(『海辺の映画館―キネマの玉手箱』で共演した)俊ちゃん(窪塚俊介さん)もきっとバトンを受け取ってくれるだろうと思って声を掛けさせてもらいました。ここで既にバトンは渡されていて、今度はここにいる皆さんのお友達や劇団の方がバトンを渡して、やりたいという人たちが出てきてくれたら、この朗読劇はずっとできますし、それこそ平和なんじゃないかなと思います。」とメッセージを送り、締めくくった。

移動演劇桜隊・再結成記念公演 朗読劇「ヒロシマ」は、8月7日(土)内幸町ホールにて追加公演も上演予定となっている。
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