【西山潤インタビュー】NHK大河ドラマ『どうする家康』・日曜劇場『VIVANT』に出演!
NHK大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜 後8:00〜)に栄華を誇った後北条家最後の当主・北条氏直役、TBS日曜劇場「VIVANT」(毎週日曜21:00〜)に出演する西山潤にインタビュー。作品への思いや、憧れの先輩俳優などの話を聞いた。
■この世界に入ったきっかけを教えてください!
小学1年生の時にスカウトしていただきました。恵比寿のケンタッキーで家族と食事をしていたら、僕がうるさかったせいか当時スカウトしていただいた方がハッと見たらしくて。そのときはお姉ちゃんがスカウトされて僕も面接について行ったのですが、おまけでついていった僕が受かりました。
小学4年生のときに映画『20世紀少年』に出演させていただいて、堤(幸彦)監督に「この業界続けろよ」と言われたのですが、野球も好きだったのでその言葉をあまり意識はしてなかったのですが、あのときの堤監督の表情と言葉はいまだにはっきり覚えています。今年、堤監督が日曜劇場の『Get Ready!』の現場に呼んでくださいました。デビュー作の『サイレン 〜FORBIDDEN SIREN〜』『20世紀少年』のときと同じチーフカメラマンとチーフ助監督だったのですが、「息子が帰ってきたみたいだよ」「続けてこれてすごいよ」って言っていただいて、嬉しかったですし、僕自身も実家に帰ってきた感があって楽しかったです。今後もご一緒したいなという気持ちになりました。
■自分の性格を一言で言うと…。
自由気まま!自分では節度のある硬い人間だと思っていたのですが、友達に“自由きままでマイペース”って言われて気がつきました。思い立ったことを考える前に行動に移しちゃうタイプなので、会いたい人に会ったり、したいことを絶対にやっているんです。僕が声を掛けると、僕のことを好きな友達が集まって一緒にやってやろうと言ってくれて、それは嬉しいことなので素直に続けたいと思います。僕が師匠とお呼びしている林遣都さんは、「お前の強みは度胸だから」と言ってくださいます。周りが“いいよ!”って言ってくださっているから自信を持って出来ているのだと思います。僕一人だったらすぐに倒れるタイプなので、本当に周りの人に支えられているなと思います。それがきっかけで自分自身が変わっていって、芝居や監督に対してのアプローチも変わった気がします。
■林遣都さんが師匠と言われていましたが、何かきっかけはあったのですか_?
いくつかの作品でご一緒することがあって、一番濃くなったのは大河ドラマ『いだてん』からですが、それ以来、プライベートでも仲良くさせていただくようになりました。師匠は淡々とこなされるイメージがあるのですが、一緒に芝居をすると芝居の引き出しの量が半端なくて、インプットの時間と役の表現に対するアプローチを持って現場で生んでいくので、見えていないところで準備するカッコ良さと、長くやっているにも関わらず、絶え間なく、とてつもないエネルギーと愛がある人だなと思います。師匠ほどの人に出会ったことがないです。僕が言うのはあれですが、器用な方ではないのだと僕は思うのですが、それが僕の中でかっこ良くて、器用貧乏な僕の目標でもあります。遣都さんのお芝居が大好きです。悩んで師匠にメールすると長文のメールを返してくれて僕の“好きです、師匠!”の気持ちに愛と熱を持ってちゃんと返してくださるので、すごく大好きです。
■今、一番幸せな時間はどんなときですか?
元々バイクが好きなのでバイクのことを考えている時間がすごく幸せです。 最近は料理がすごく好きで、早く帰ってきた日はスーパーに行って料理して、一人で食べている時間も幸せです。今までは飲みに行くのも食事も絶対友達と一緒でしたが、一人で何かをする時間も好きになってきたかもしれないです。一人の時間があるからこそ、友達と会う時間も大切だなって思えるようになって、25歳になってバランス良く大人になったかもしれません。
■プライベートで挑戦してみたいことはありますか?
資格を取ってみたいです。今まで役者しかやってこなかったので、プライペートも何か変えたいなと思っていて、最近は1日1時間勉強します。ペンを持って何かしたくて、小説や脚本を書くというわけでなく、歴史や時事などを勉強するとか資格を取得するとか、役者として普段やらないことに挑戦したいです。今までやってきた凝り固まったことを一回壊してみたいと思っているので、そういう時間は新鮮で楽しいです。
■これから演じてみたい役や役者としての目標はありますか?
今までだったら自分にない猟奇的な役とか学生役を演じたいと思っていましたが、最近は特にないんです。今までは一つ一ついただく役を“こういうタイプだな”と捉えて120%で演じていたのですが、最近は芝居に対して一歩離れて見るように意識していて、“準備が120%、芝居の現場では70%”という気持ちでやるように心がけています。そう考えるようになってから、いろんな力が抜けた気がして、幅広く感じられるようになって、サラリーマンも時代劇も、どの役もその人の人生なんだと思えるようになりました。演じる人を常に新しくインプットして作り上げていくのが毎回新鮮で楽しいです。20歳の時にはなかった感覚です。
■大河ドラマへの出演は「天地人」(2009年)「いだてん」(2019年)に続いて、3度目になりますが、今回の現場の雰囲気はいかがですか?途中から撮影に参加されることになりますが、他の撮影現場との違いはありますか?
普段はあまり緊張しないのですが、クランクインは緊張しました。すでに出来上がっている現場に入っていくということもだし、大河ドラマという大きな作品ですし。以前『天地人』に出演させていただいたときにすごく緊張した思い出があるので、それもあって始めはすごく緊張しました。現場に入ってからは知っているスタッフさんもいらっしゃったので、わりとスムーズに入れましたが、初日の粥を食べるシーンは手が震えてしまい、どうしようと思いました。落ち着いていらっしゃる父親役の駿河太郎さんの姿を見て、「自分も芝居をしにきているんだ」「俺は大丈夫」と言い聞かせてなんとか落ち着いて演技することができました。
■座長の松本潤さんはどんな方ですか?また父・北条氏政を演じる駿河太郎さんと共演を楽しみにされていましたが、実際共演されていかたでしたか?
松本さんは最初に「西山潤です」とご挨拶したときに、「きたな、西潤!」と返してくださいました。「顔似てない?どう思う?」と聞いてくださったのですが、周りに人がたくさんいらっしゃって、緊張しながら「僕も子供の頃から、松本さんのおかげで西潤って言っていただいて、顔が濃いところが似てるって言われます」と言ったら、周りのみなさんが笑ってくださって。それ以来、現場で会うたびに「西潤、来たな!」と言ってくださいます。座長の背中が大きく見えて、かっこいいなと思いましたし、潤という名前で良かったなと思いました。
駿河さんとは、同じ作品に出演したことが何回もありますが、ニアミスし続けていて、一緒にお芝居をするのが今回初めてでした。駿河さんも関西人ということで、芝居やプライベートなことをすごくフランクに話せたのですごくやりやすかったです。今回は親子の対立のような部分も描いているので、駿河さんといろんな話をして、親子のような関係を作ってからお芝居でぶつかることができたので、駿河さんにはすごく感謝しています。
■撮影に入られる前に北条氏直(ほうじょううじなお)について調べられたようですが、どのように演じたいと思っていますか?
別の作品があって準備期間がすごく短かったのですが、限られた時間の中で集中して役をつくり現場に入りました。“恵まれない氏直”と言われることが多いので、親父の言いなりになっている氏直なのか、古い考えと新しい考えが対立するために戦うタイプなのかを初日に監督に相談したら、「戦いましょう」と言われたので、氏直としてのプライド、五代党首としてプライドを全面的に出して、信念やプライドを曲げないという気持ちで演じたところが氏直のキーポイントかなと思います。家康との対峙シーンも氏直の気持ちを丁寧に演じたのでぜひ注目してほしいです。フランクに演じようと思ったのですが、つい100%出してしまって、氏直としても西山潤としても悩んだ大きなシーンになりました。
■日曜劇場「VIVANT」にも出演されますが、モンゴルでの撮影はいかがでしたか?また作品の見どころを教えてください!
モンゴルに行くのは2回目だったのですが、前に行ったときより国としても栄えていてモンゴルに行けたのが嬉しかったです。あの規模の作品をモンゴルのいろんな場所で撮影できて、日本人とモンゴル人のスタッフが一緒になって熱量込めて撮影して、モンゴル語しか喋れないスタッフともジャスチャーで会話をしたり、日本ではなかなかできない経験が出来たのですごく楽しかったです。全てが見どころですね。あの砂漠であの草原で、スタッフとキャストが死に物狂いで撮った素敵な絵や迫力のあるシーンがこれからもたくさん出てくるので、ぜひ大きな画面で見てほしいです。1話のOAが終わった後に「すごいね、やばいね」「面白いね」という感想がたくさん届いて、僕も「でしょ」と返したのですが、あんなにすごい作品に僕が出ているのかなって疑心暗鬼になりました(笑)。
■最後にインタビューをご覧の皆さんへメッセージをお願いします!
20代の後半になって今までやってきたことない役が増えると思うので、楽しんで応援してほしいです。僕も裏切らないように役者として人として成長していきたいと思うので、その姿をTVやSNSで発信していきたいと思っていますし、どう発信してくか考えているので、ぜひ楽しみにしていただいて応援してほしいです!
<作品情報①>
大河ドラマ『どうする家康』 ※北条氏直役
毎週日曜日20:00〜 NHK総合ほか
<あらすじ>
ひとりの弱気少年が、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語。
国を失い、父を亡くし、母と離れ、心に傷を抱えた孤独な少年・竹千代は今川軍の人質としてひっそり生涯を終えると思っていた。しかしー三河武士の熱意に動かされ、弱小国の主として生きる運命を受け入れ、織田信長、武田信玄という化け物が割拠する、乱世に飛びこんだ。
待っていたのは、死ぬか生きるか大ピンチ!計算ちがいの連続!我慢の限界!どうする家康!
<作品情報②>
日曜劇場『VIVANT』
毎週日曜日21:00〜 TBS
<あらすじ>
中央アジアのバルカ共和国で太陽エネルギープラント事業を進める丸菱商事で、現地のインフラ会社・GFL社に対し、正規の契約金の10倍の1億ドルが誤送金される事態が発生する。 エネルギー開発事業部の乃木憂助はその関与を疑われ、決算までの1か月以内にその差額9千万ドルを回収すべく、単身バルカ共和国へと向かう。
<プロフィール>
西山潤(ニシヤマジュン)
1998年7月12日、神奈川県出身
「サイレン~FORBIDDEN SIREN~」でデビュー後、「20世紀少年」などへ出演。
近年、NHK夜ドラ「卒業タイムリミット」、TBS「ドラゴン桜」に出演。さらに、映画『鬼ガール!!』、『ターコイズの空の下で』、ドラマ「だれかに話したくなる山本周五郎日替わりドラマ」『はたし状』『泥棒と若殿』(共に主演作)など。21年には劇団時間制作プロデュース公演 第二弾 舞台『ヒミズ』で主演を務める。同年、『お願い!ランキング』内の企画『忌憚ナク蔵』にレギュラー出演。