【石川雷蔵インタビュー】『SHELL』で舞台初挑戦!
倉持裕×杉原邦生の注目の初タッグが現代を舞台に特異な人間が存在する不思議な世界を描く舞台『SHELL』。本作が舞台初挑戦となる石川雷蔵。稽古を控えた石川に舞台への意気込みや役者としての目標などを聞いた。
■この世界に入ったきっかけを教えてください!
母親が事務所に履歴書を送ってくれたのがきっかけです。他薦で合格すると10万円もらえると聞いて、PS4欲しさに入りました(笑)。初めてお芝居の仕事をいただいたときに、何年もこの世界にいらっしゃる先輩方が、真剣に台本を開いて監督とお話をされている姿を見たり、自分の出来なさを感じて、自分はなんで余裕だと思っていたのだろうと反省して、そこから出来ることから変えていこうと意識が変わっていきました。
■自分の性格を一言で言うと…。
“軽そうに見えて、意外に考え込んでしまう人”です。基本はあまり深く考えないタイプですが、考えなきゃいけないことに直面したときはどこまでも深く潜ってしまって抜け出せないことがあるので、そういうときは友達に助けてもらいます。
■今、一番幸せな時間はどんなときですか?
ご飯食べているときです。筋トレとか自分の体調管理を始めてから食の1つ1つに対しての感謝度合いがすごくて。一人のときはコントロールしていますが、友達とご飯食べに行くときやちょっと遠出をしたときは我慢せずに美味しいものを食べるようにしていて、そういうチートデイのときには、今まで絶対食べたことある料理でも食べたことない美味しさを感じるので、一番幸せを感じます。
■もし1日25時間になって1時間増えたら、その時間を使って何をしますか?
台本をみっちりと覚えます。少し前に有村架純さんがサウンドトラックを聴きながらセリフを覚えていて、音楽はシーンとリンクしていることが多いので風景が浮かんで覚えやすいという話をされていて、僕もサウンドトラックを小さい音量で流しながらずーっと音読で台本を覚えています。最近始めたばかりなのでまだ長く実践していませんが、風景が思い浮かびやすくなりました。
■これから演じてみたい役や役者としての目標はありますか?
明確にこういう役を演じてみたいというのはないのですが、目標としているのはバイプレイヤー。もちろん主役ができる器にはなりたいですが、どんな作品でもスパイスというか味を残す、一瞬出ただけでも印象に残るような演技が出来るような役者になりたいです。少しずつ実践はしているんですけど、まだまだで…。これから爪痕を深く残せるように頑張っていきたいです。
■9月10日で20歳を迎えますが心境を教えてください!また今後プライベートで挑戦してみたいことはありますか?
個人的に心は“中学生のまま”変わってなくて、20歳になることが信じられなくてちょっと怖いなという思いもあります。18歳から成人と言われているので、20歳になったら法的に許されることも増え、責任は重くなるかもしれないですが、あまり変わらないのかなと思っています。プライベートで挑戦してみたいことは、今頑張って免許を取っている最中なので、免許を取って遠出してみたいです。
■『SHELL』で舞台初出演になりますが、舞台への印象と意気込みを教えてください!
台本をもらって最初に読んだときはすごく難しくて、わからない部分が多かったですが、何度も読んでいくうちに理解して納得できるようになりました。きちんと理解してお客さんに届けなきゃいけないプレッシャーや責任もありますが、まずは自分がちゃんと楽しんで、その空気をみなさんに分けられるように一体感をイメージしながら演じたいです。
■稽古はこれからですが、舞台に向けて何か準備はされていますか?またどのように演じていきたいですか?
舞台は体力が必要なのかなと思っていて、体力のなさを感じているので何か始めたいと思っています。あと今までは映像作品の経験しかないので、ボイストレーニングを受けて、舞台用の発声を学んでいます。僕が演じる咲斗(サクト)は、けっこう僕と似ているところがあって、思春期のときのもう少し素直になったらこういう感じなんだろうなと想像がつくので、思春期の独特な男の子の気持ちを思い出して、女の子との距離の取り方や喋り方や仕草を思い出しながら楽しく違和感なく演じられたらなと思っています。
■今年2月に戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザース』の1年間の放送を終えましたが、長期の撮影の中で自身が一番成長した部分はどこだと思いますか?
マネージャーさんから「こうしてって言われたことを自分が思う5倍くらいでやって!あとは下げればいいだけだから」とずっと言われていて、意識してやってはいたんですけど、なかなか最初からやることが出来なかったんです。でも『ドンブラザーズ』の現場では、物語の先がわからない状態で台本に描かれていない部分をどう想像すれば、どういうスタンスで演技をすれば次の台本に上手く繋がるんだろうということをずーっと考えて演技をしていたので、自分で補うように考える力やドラマを続けていく上での臨機応変な対応力はついたのかなと思います。撮影が終わった瞬間は1年って早かったかもと思いましたが、今考えてみるとやっぱり長かったです。他のメンバーの活動は母親が教えてくれることが多いんですけど(笑)、1年間一緒に頑張ってきた仲間が頑張っている姿を見ると僕も頑張らないと、って思うんです。今でも大事な存在です。
■最後にインタビューをご覧の皆さんへメッセージをお願いします!
初めての舞台なので、不安ありワクワクありの状態ですが、戯曲も共演者の方もすごいので、台本に見合った演技ができるように、振り落とされないように、必死にしがみ付いて頑張ります。僕も台本を見て刺さるシーンが多くて、見に来てくださる方もそれぞれの受け取り方があるとは思いますが、全員どこかしら刺さる部分があると思うし、後悔させない内容になると思うので、ぜひ見に来ていただきたいです。
<作品情報>
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『SHELL』
★チケット一般発売 9月9日(土)~
【神奈川公演】
KAAT 神奈川芸術劇場
2023年11月11日(土)~11月26日(日)
【京都公演】
京都芸術劇場 春秋座
2023年12月9日(土)15:00開演、10日(日)13:00開演
<あらすじ>
とある高校の放課後の教室。そこには生徒の未羽(みう)、希穂(きほ)、咲斗(さくと)と数名の友達たち。彼らは、突然学校に来なくなった松田先生について、そしてこの学校の問題について度々話し合っている。
ある日、未羽は通りがかったビルからマネキンが落ちてくる現場に遭遇する。そのマネキンを抱きかかえていたのは中年男の高木だが、未羽には高木でもあり希穂の顔にも見えるという不思議な体験をする。同じ人間がいくつもの<顔>を持っている。それは、一部の者だけが知っている世界だったのだが、未羽にはそれを見抜く力があった。
希穂たち以外にも、いくつもの<顔>をもっている人々が分かる未羽。様々な登場人物たちがうごめく中で、顔を見抜けて「絶対他者」を繋げてしまう未羽、顔を持つ人々、そして全く分からない人々との間に、摩擦が生じていく…
<プロフィール>
石川雷蔵(イシカワライゾウ)
2003年9月10日、埼玉県出身
2019年映画『愛唄―約束のナクヒト―』で役者デビュー。
主な出演作にドラマ「暴太郎戦隊ドンブラザース」、「 もしも、イケメンだけの高校があったら」映画「高津川」「午前0時、キスしに来てよ」「望み」、ドラマABEMAオリジナルドラマ「17.3 about a sex」。舞台は『SHELL』が初出演となる。