【歌ういい女・あたしインタビュー】 『三文私売』配信中!
現役女子高生“あたし”名義で活動をスタート。2022年に “あたし”名義でのプロジェクトが始動し、数々の楽曲をリリースし続けている“あたし”が『三文私売』を配信リリースした。“愛されたい女の子”たちを主人公にしたタイプの違う3曲が収録された『三文私売』の制作や聴きポイントなどを聞いた。
■『三文私売』は配信リリースの他に初めてCDリリースされましたが、CDとしてリリースされることについて思い入れはありますか?
個人的にはサブスクでも楽曲を聴くんですけど、CDという触れられるものになるのがすごく嬉しくて。CDは楽曲を聴くものなんですけどグッズの一部のような思いもあって価値を感じていて、すごく好きです。家に飾っています。高校生の時に作った曲を自分で焼いて手作りのCDを作ったことがあるのですが、本格的なCDは初めてだったので、手にした時は不思議な感じもあり嬉しい気持ちでいっぱいでした。
■CDになることで楽曲が形になってファンの人の手元に届くのは嬉しいですよね
嬉しいです。「M3」というイベントに出させて頂いた時にCDを手売りしたのですが、私の存在を知らない方が視聴コーナーで楽曲を聴いてわざわざ買いに来てくれたのがすごく嬉しかったです。
■タイトルの『三文私売』に込めた思いを聞かせてください
CDのタイトルに関してはスタッフと会議をして決めたんですけど『三文私売』というタイトルは3人の日常に存在しそうな女の子“私たち”の感情が詰まった歌を”聴いてほしい“という思いを込めてつけました。それぞれのタイトルは楽曲を作っていただいたボカロPさんがつけてくださったんですが、今回の楽曲は私がずっとリスナーとして聴いていたボカロPさんに作ってほしくてお願いしました。
■リード曲『落第』は内緒のピアスさんに楽曲提供をしていただきましたが、最初に楽曲を聴いたときの印象は?
私はアップ調でロックテイストの曲が大好きなんですけど、『落第』は個人的にはすごく歌いやすくてカッコ良いなと思いました。ピアスさんの楽曲は静かで美しい楽曲が多いんですけど、またイメージが違いつつ歌詞はピアスさんらしくてすごく嬉しかったです。
■『落第』の聴きポイントなどを教えてください
歌入れをする前に楽曲を聴いて自分が歌った感じをある程度は想像できたんですけど、実際に歌入れをしてみてキーが合っているというのもそうなんですけど、自分の声に合っている楽曲でさらにロック調でカッコいい感じになったというイメージがあります。
■“愛されたい女の子”たちを主人公にした3曲ということですが、『落第』はどんな女の子をイメージされましたか?
『落第』に関しては依存体質で1人では生きていけなかったりとか感情が爆発してしまったり劣等感があったり、自分の中にもあるんですけどウジウジした部分が多い主人公にしました。今回の3曲に関してはすべての楽曲に共感できるところがあって“落第ちゃん”にも共感できる部分があります。
■すでにMVも公開されていて楽曲に合った作品になっていますが、こだわったポイントを教えてください
自分の中にもある感情を歌っている曲だからこそ元々あったオレンジの“あたしちゃん”のキャラクターを元に楽曲のイメージを伝えて派生したキャラクターを作ってもらいました。MVはカッコ良い楽曲に合わせて稲妻っぽいエフェクトや疾走感の文字のある出し方をしているので注目してほしいと思います。
■『傀儡合い』(くぐつあい)はどんな楽曲になりましたか?
この曲に関しては詳しいキャラ設定を出していなくて「“愛されたい女の子”の楽曲を作りたいです」ということをおおまかにお伝えして、d.j.ァネイロさんがキャラクターを組み立てて楽曲を作ってくださったんですけど、“操り合っていたり”とか“騙し合っていたり”でも“やっぱり依存してしまう”とか、人のドロドロした感情に注目して作っていただきました。この楽曲はけっこう早口で言葉が詰まっているところが多いので、歌の技術として難しい部分が多いのと短くて詰まった言葉の中でどうドロドロとした感情を出すのかというのがすごく難しくてそこに苦労しながら歌いました。レコーディングの時間自体はあまりかかってはいないのですが、録り方がちょっと特殊で1曲通して録るというよりは細々と歌を素材のように録りました。
■『傀儡合い』ではどんな“愛されたい女の子”を描きましたか?
他の楽曲よりもっとドロドロと黒いものを持っていると思っていて、独占欲だったり、操りたい、落ちている自分でさえ楽しい、と深くてドロドロした部分が濃い女の子だと思います。
■『傀儡合い』の聴きポイントなどを教えてください
“楽々 有難がる蟻が集まるアンリアルじゃ”という歌詞があるんですけど、歌うのは難しかったんですけど楽曲としてめちゃくちゃカッコ良くて個人的にすごく好きなのでそこに注目してもらえたらと思います。
■もう1曲の『ワルキューレ』はどんな楽曲になりましたか?聴きポイントとどんな“愛されたい女の子”を描いたかを教えてください
先ほども話したようにストレートなロックがすごく好きなのですが、自分の足で歩いてしっかり前に進むようなロックな曲になっているので歌っていてもすごく楽しかったし、勇気をもらえるような楽曲ですごく素敵だと思いました。他の2曲に比べてこの曲で描かれている女の子はポジティブで自分の足で歩いていく、切り開いていく、何かに依存するわけではなくて自分を自分で保って生きていくというキャラクターでお願いしていたので強くなろうとしている女の子をイメージして作っていただきました。
■自分の中にどの要素もあると思うのですが、3曲に登場する“愛されたい女の子”の中でどのタイプが自分に近いと思われますか?
基本的には3曲目の“ワルキューレちゃん”のマインドではいようと思っているんですが、けっこう『落第』っぽくなったり、『傀儡合い』っぽくなることもありますが、『ワルキューレ』が一番近いと思います。
■昨年のインタビューからこの1年でライブなど新しいことを経験されたり、プライベートでは最近お米を初めて炊いたりなど色々なことに挑戦されていますが、何か変化したと思う部分はありますか?
歌に対しては自分なりに解釈してストレートに歌うことを前から意識して歌っているので芯の部分はあまり変わっていないと思いますが、成長した部分で言うと3ヶ月間、週に1回のペースで「歌ってみた」を投稿したり、今回の新しい曲を3曲リリースさせて頂いたことで自分の中に新しい感情が生まれたり。たくさんの曲に触れることが多かったので“こういう考え方あるよね”とか“こういう歌い方ありだよね”というレパートリーが増えた感じはします。ライブに関しては今までずっとインターネットの中での活動がメインだったのですが、生で歌うことでお客さんと一緒にその空間を楽しめたのは幸せなことだと思いました。プライベートでは初めてUSJに行きまして絶叫系が苦手なのであまり乗ることはしなかったんですけど初めての大阪でもあったのですごく楽しめました。自炊は冷蔵庫が壊れて買い替えて新しい冷蔵庫が家に来た途端めちゃくちゃテンションがあがって自炊スイッチが入ったことがきっかけで始めたのですが(笑)、最近は炊飯器まで買って頑張っています。パックのご飯も美味しいのですが、炊き立てのご飯がすごく美味しいということに気がついて嬉しい気持ちでいっぱいです。肉じゃかを美味しく作れたのですが、ハンバーグは失敗してしまったのでうまく作れるようになりたいし、カツが好きなので揚げ物にも挑戦したいです。片付けも含めてちゃんと料理できたらなと思います。自炊を始めたことで幸福度があがった気がします。
■「歌コレ2024年秋」のグループ部門に参加されましたが、こちらはどんな楽曲になりましたか?
今回は『気まぐれメルシィ』という八王子Pさんの楽曲をカバーしているんですけど、Eyeさんという歌い手さんと主催しグループ部門で4位をとることができました。『気まぐれメルシィ』は可愛らしい楽曲で今回は恋愛シミュレーションゲーム風なMVを目指して自分で動画も作成していて、6人合唱で6人それぞれが学園内のキャラクターになってゲームが進んでいくようなMVを作りました。動画の勉強を始めて作れるようになるまで2、3ヶ月かかって、今回学びながら作っているので大変というよりは学びが多くて楽しかったです。あたしYouTubeチャンネルでも公開しているのでぜひ観てほしいです。
■2025年はどんなことに挑戦してみたいと思っていますか?
今回ボカロPさんに作っていただいた楽曲を自分の考えに落とし込んで歌うことがすごく楽しかったので、これからも色々な方の書かれる曲を歌ってみたいなと思っています。あとは最近動画を作ることにもハマっていてもしライブに出演する機会があったら自分の作った動画を背景に流しながら歌うことができたら楽しいなと思っているのでライブのクリエイティブにも参加していきたいです。今回グッズとしてスマホケースに挟めるシールを作ったのですが、個人的に嬉しかったので今後も色々なグッズを作ってみたいなとも思っています。
■最後に『三文私売』の聴きどころを教えてください
3曲に登場する“愛されたい女の子”は自分の中にあるキャラクターで作っていただいたといいつつ、聴いてくださる方も身近に感じるような共感してもらえるところがあると思うので落ち込んだ時、感情が高ぶったときなどに聴いてもらったり、3人のキャラクターを聴き比べたりしながら楽しんで欲しいです。
<リリース情報>
『三文私売』
2024年12月13日配信リリース
CDはBOOTHにて販売中
M1. 落第 (prod.内緒のピアス)
M 2 . 傀儡合い (prod.d.j.ァネイロ)
M 3 . ワルキューレ (prod.こめだわら)
『落第』MV
『傀儡合い』MV
<プロフィール>
あたし
21歳、引きこもり気味の、歌ういい女。
2020年、現役女子高生あたし名義で歌い手として活動スタート。 高校在学中に投稿した「グッバイ宣言/Chinozo 【歌ってみた】」が500万再生を記録し注目される。
SDR「クリエイターズマッチングプロジェクト」で歌唱部門・チーム部門のW受賞をきっかけに、 クリエイティブレーベルMeMeMeetsに参加。TVドラマ『東京放置食堂』主題歌を担当。
2022年、あたし名義でのプロジェクトが始動、「太陽観測」でデビュー。
hmngがディレクションを務めたMVも話題を集める。 同年”SNSで最も使われる音楽”を生み出す架空のアパート・MAISONdesにzumiTaと共に入居、「わかっちゃない」を発表。
2023年6月にTVドラマ「4月の東京は…」の主題歌を担当した「イベリス」をリリースした。
シンガーの母親から借りパク中のマイクで歌い続けている。