【西山潤インタビュー】ドラマ『あらばしり』に一歩己(いぶき)役として出演!
橘ケンチさん(EXILE / EXILE THE SECOND)と俳優の平沼紀久さんが原案を担い、タクミユウさんが手がける日本酒を題材にしたマンガ『あらばしり』が実写ドラマ化。1月9日(木)より読売テレビにて放送される。西山は擬人化された日本酒キャラクターの1人である一歩己(いぶき)を演じる。ドラマに撮影エピソードや西山自身が魅力を伝えたいことなどを聞いた。
■全国各地に実在する日本酒がキャラクターに擬人化され日本酒の魅力を伝えるドラマですが、出演が決まったときはいかがでしたか?
「擬人化作品ってけっこう聞くな」と思っていたときにいただいた話だったので驚きはしなかったですね。既存の日本酒を演じるので制限もあるのかなと思いつつ、役者としてもいろんな遊べる幅があり、決まりがあるところとないところがハッキリして面白そうだな、役者として次の景色が見えるかなと思いました。
■演じる一歩己は穏やかで“優しくまっすぐ芯がある”というキャラクターですが、一歩己を演じると聞いたときはいかがでしたか?
最初にキャラクターの説明を受けた時に、「⾚武(あかぶ)」か「村祐(むらゆう)」を演じるのかなと思っていました。最近いろんな役柄をやらせていただくことが多かったのですが、⼀歩⼰のようなキャラクターを演じたことがなくて、自分の中にも存在しない性格だなと思っていました。だからこそ「これもまた縁かな」と思って、“新しい靴を履くような気持ち”で全力で走らせていただきました。
■一歩己を演じる上で何か参考にされたことはありますか?
いつもだったら事前にキャラクターの履歴書を書くんですけど、今回は日本酒ということで履歴書が書けないので福島県にある「一歩己」を作っている酒蔵さんにお邪魔させていただきました。「一歩己」が造られるまでの工程を見て少し歩いたところにある「一歩己」の田んぼのお米も見せていただいて、「一歩己」を造られている豊国酒造の矢内さんに「一歩己はこういう理由で作られたんだよ」「こういう人たちが作っているんだよ」と話を聞きました。今まで文字だけで見て感じていた“まっすぐで芯があって”という一歩己のキャラクターが酒蔵に行ったことでイメージが変わりました。撮影が始まってからも「このシーンはドラマとしてどう描くのか」、「日本酒が擬人化しているルールに則るのか」と迷う部分がどうしても生まれてくるので毎回監督やプロデューサーとコミュニケーションをとりながら答え合わせをしながら撮影しました。物語の最後の方に大事なセリフが出てくるんですけど監督とプロデューサーから「私たちはこういうセリフを用意しているんですけど、一歩己を一番理解しているのは西山さんなので」と言って頂いて、撮影まで2週間くらいあったので自分でも考えました。今回決まりがないからこそ役柄を1つ1つ作っていくという面白さがありました。
■普段日本酒は飲まれますか?また「一歩己」も飲まれたことはありますか?
元々は日本酒をそんなに飲んだことがなくて、なんなら食わず嫌いのところがあったのですが、今回色々と飲ませていただいてハマってしまって。撮影が始まってから毎日「一歩己」を飲んでいて、すごく日本酒が好きになりました。「一歩己」は独特の味とすっきりしたか香りから日本酒初心者の方にはなじみがない味かもしれませんが、ドンとして最後に苦味があって飲み応えのある感じだと思います。アルコールもキツイというわけじゃなくて米が降ってくるような重厚感があって食事にも合うし、僕はそのまま飲むだけでなく今数の子にハマっているので合わせても飲むんですが、非常に絶品です。最近僕の中で“無駄だと思うことも必要だ”という“必要無駄”を大切にしているんですけど、最初は毎日役のために「一歩己」のラベルを見たり飲んだりとやっていた“必要無駄”が気がつくと途中からただ好きになってやっていました。
■現場は年齢が近いキャストが多いと思いますが、撮影現場はどんな感じですか?
男7人でずっと撮影をしていたので、合う人合わない人が正直いるだろうなと思っていたんですけど、蓋を開けてみるとみんな真っ直ぐで協調性があって楽しくて締めるところは締めて、芝居のことがわからないときはちゃんとわからないと言える現場でしたし、すごくバランスの取れた現場でした。撮影がすごく楽しかったです。「みんなでご飯に行こう」と僕から言わせていただいて、撮影の休みの日にみんなで焼肉に行って「実はこれがやりづらいと思っていた」とか「こうやりたいと思っている」とかいろんな話が聞けたり、プライベートも「意外にこんなことが好きなんだ」とわかってすごく楽しかったです。
■作品は日本酒の知識のない人にもわかりやすく丁寧に描かれていますが、⼀歩⼰を演じながら気がついた日本酒の魅力はありますか?
醸造アルコールを使ったものもあるんですけど、基本的に水と米の麹の発酵具合だけなのにいろんなフルーティーな味わいが出てくるんですよ。香料を入れてないのに発酵させた場所・湿度・米の甘さで、「これはメロンみたいな味がする」とか「これは水みたいだ」と色々な味わいになるのがすごく面白いです。
■日本酒と合う美味しい料理もたくさん登場しますが、実際に食べられて美味しかった料理はありますか?
お客さんに提供する役なので実は食べられていないのですが、「一歩己」に合わせていたサーモンのタルタルは美味しそうで食べてみたくて、自分で考えて家で作ってみました。どこまで寄り添えているかわからないのですが、美味しくて「一歩己」にもすごく合っていて大満足で完食しました。
■お酒と食に対する考え方で変わったことはありますか?
まだまだ100%理解はできていないって思うところがあるんですけど、お酒と料理の組み合わせでお酒の良さが跳ね上がることもあるので組み合わせって大事なんだなと思いました。お酒を飲みに行った時に「このお酒に合う料理はありますか?」って聞いたりすると食とお酒がさらに楽しめるんじゃないかと思います。
■「あらばしり」は日本酒の魅力を伝える作品ですが、西山さんが何か魅力を伝えたいと思われていることはありますか?
私は自分の魅力を伝える仕事をしていますが‥、冗談です(笑)。最近ありがたいことに趣味が増えて、今まではバイクに乗っていたんですけど車を買ったりカメラも買って面白いなと思っているところなんですけど、お勧めしているのが「メダカ」です。メダカってすごく可愛いし、すごく癒されて、部屋に色が添えられます。僕はメダカを見ながら「一歩己」を飲んでいます。実家に犬がいて犬しか愛せないと思っていたんですが、メダカのあの絶妙に何考えているかわからないけど水槽に近寄ると近づいてくる感じが可愛いです。ハマったきっかけは夏に家の近くで縁日をやっていてその時に金魚すくいをして家に持ち帰って、ネットショップでグッズを揃えようと思っていたらすぐに亡くなっちゃって。庭に埋めたんですが「このままじゃ供養されない、また金魚を飼おう」とアクアリウムショップにいたら、メダカもいて可愛いなと思って飼い始めました。メダカって100円から万くらいの値段のものがいて、色も黒白黄色と透明とか、鰭が長いとか色々な種類がいるんです。最近は卵を産んで自分で孵化をさせたりもするくらいハマっています。『笑うマトリョーシカ』のOAの時くらいからハマり始めて、メダカの写真に吹き出しを書いてSNSで毎週お知らせしていました。また、メダカを綺麗に撮りたいと思ったことがカメラにハマったきっかけの1つです。最近フォロワーさんからメダカ情報を送っていただいたりしてすごく楽しんでいます。たくさんの方に見て欲しいです。
■2024年も様々な作品に出演されていましたが、どんな1年でしたか?2025年の目標はありますか?
一言で言うと「壊した年」だなと思っています。演じた役柄が全部違ったり、ビジョンに向けてどんどん自分で壊しながら作っていく1年でした。僕の理想にはまだ遠いですが、イメージは間違っていないと思っています。来年は今年以上に壊していきたいし、壊したものをさらに拾って肉付けしていきたいなと思っています。最近、前に仕事をさせていただいた方々に何年振りかに声をかけていただいて仕事をする機会が増えているんですが、まだまだ還元できていなので2025年はどんどん還元しながら数でも勝負できたらいいなと思っています。面白いことを思いついたら20代のうちにどんどんやっていきたいと思っていて「こんなもんじゃないぞ、西山潤」って感じでどんどん動いているので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。
■最後にドラマのみどころを教えてください!
この作品を通して日本酒の魅力が伝わればいいなと思っているので、ドラマの中で推しを見つけて実際に飲んで頂いたり、僕たち6本と主人公の吟だけじゃなくても「日本酒って意外と奥が深いんだ」と感じてもらえると思うのでお店で聞いたりして飲んだり、気に入ったら買っていただくことで興味を持ってもらえたら嬉しいです。何にしても食わず嫌いは良くないなと思っているので、まずは一度手に取って欲しいなと思います。
<作品紹介>
『あらばしり』
1月9日(木)スタート 毎週木曜 深夜0:59〜 読売テレビ(関西)
放送後TVerにて無料見逃し配信
TVer: https://tver.jp/series/sr9or5wgte
オフィシャルサイト: https://www.ytv.co.jp/arabashiri/
福島中央テレビ、中京テレビ、福岡放送、鹿児島讀賣テレビでも放送予定
<あらすじ>
そこは、看板もなく必要としている⼈にしか⾒つけられない⽇本酒店。 祖⽗が遺した店を譲り受けることになった⻘年・伊藤 吟。 ある⽇突然、吟の前に「⼀歩⼰」「⾚武」「加茂錦」「篠峯」「村祐」「屋守」の⽇本酒が⼈間の姿で現れ、吟の⽣活は⼀変。 祖⽗の意志を継ぐ吟たちによる最⾼のおもてなしが始まるのだった。
<プロフィール>
西山潤(ニシヤマジュン)
1998年7月12日、神奈川県出身
映画「サイレン〜FORBIDDEN SIREN」(2006年)にてデビュー。「20世紀少年」シリーズでは主人公の幼少期役として抜擢される。 その後、日曜劇場「ドラゴン桜」(2021年)では不良役を演じてインパクトを与えた。 近年には日曜劇場「VIVANT」、大河ドラマ「どうする家康」などの作品に出演を果たす。 ABCテレビ「こういうのがいい」(2023年)では連ドラ初主演を務めた。 また、読売テレビ「好きやねんけどどうやろか」(2024年W主演)では初のBL作品に挑戦し、様々な役を演じて着実に演技の幅を広げている。