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瀧本美織

瀧本美織 舞台「森 フォレ」出演決定!

瀧本美織が、2021年7月に世田谷パブリックシアターにて上演の舞台「森 フォレ」に出演することが発表された。

世田谷パブリックシアターでは、これまでに『炎 アンサンディ』(2014 年初演、17 年再演)、『岸 リトラル』(17 年戯曲リーディング公演、18 年本公演)と、気鋭の劇作家ワジディ・ムワワド作「“約束の血”4 部作」シリーズを上演。宗教・戦争・歴史といった、日本人にとっては一筋縄には伝わらない題材ながらも、難解さを超越する作家の世界観、構成力、魅了する台詞、そしてなによりも普遍性を見つめた視点が高く評価され、数々の演劇賞を受賞するにいたった。続く第 3 弾の上演を心待ちにする声が多数あがっていたが、2018 年の『岸リトラル』以来、3 年の歳月を経て、ようやく待望の『森 フォレ』の上演が、シアタートラムから世田谷パブリックシアターへ劇場を移して決定した。

同作を生み出した劇作家ワジディ・ムワワドはレバノン生まれで内戦を経験。カナダに亡命後にフランスへ渡り精 力的な演劇活動を続けているが、自己の体験から戦争を背景に自らのルーツを辿る作品を多く発表している。彼の代表作である「“約束の血”四部作」は家族をテーマに扱った作品群で、その中の一作が 2006 年に創られた『森 フォレ』だ。 母の死により自らのルーツを辿ることになる少女の成長が、人々が繋げる「血の創生」に着目しながら、6 世代と 2 大陸にまたがる壮大な時空間の中に立ち上がる構成を取っている。ときは現代からベルリンの崩壊、第二次世 界大戦、第一次世界大戦、普仏戦争、産業革命後のヨーロッパまでさかのぼる。二つの世紀をまたぎ、娘から母へ、母から祖母へ、祖母からまたその母へと、戦争の世紀に押しつぶされた声なき人たちの声を現代に響かせる。

瀧本は、母の死をきっかけに自身のルーツを辿るルーを演じる。ストレートプレイ、ミュージカル、音楽劇など複数の舞台経験を積んだ彼女にとって 3 年ぶりとなる舞台出演。その瑞々しい演技で、6 世代に渡る家族の物語へと誘う。

舞台「森 フォレ」は、2021年7月世田谷パブリックシアターにて上演。
ぜひご期待ください。


【あらすじ】
1989 年 11 月ベルリンの壁崩壊直後、モントリオールに住むエメ(栗田桃子)にてんかんの発作が起き、知るはず もない第一次世界大戦中のフランス兵・リュシアン(亀田佳明)の名前を口にする。その原因として考えられるの は、妊娠中のエメの脳に生じた悪性腫瘍のためであった。エメが健康な状態で生き延びるには、堕胎を選択する ことだったが、エメは出産を決断し、娘ルーを生む。そしてエメは意識不明の状態に陥り、15 年後に死ぬことにな る。 20 歳に成長した娘ルー(瀧本美織)は、偶然にも母エメと同じ形をした第二次世界大戦時の被害者の頭蓋骨を 所持するというフランスの古生物学者ダグラス(成河)の来訪により、母の死の真相を、父バチスト(岡本健一)か ら聴くことになる。「母エメは双子を妊娠したが、男児の方が、エメの子宮から脳へと移り住み、まるで、その双子の 兄弟が悪性腫瘍を引き起こしたよう」と。そして、ダクラスの説得により、カナダ北部セント・ローレンヌ川の河口に 住む、エメを捨てた祖母リュス(麻実れい)に会いに行く。しかしそこで、リュスの母が第二次世界大戦をレジスタ ンスとして生き、その名がリュヴィディーヌ(松岡依都美)であるということを知る。ルーとダグラスは偶然に導かれな がら、自らのルーツを探るために、フランスへと旅立つのだが…。


(敬称略)